2012年1月25日 (水)

議員定数削減より…

先日の朝日新聞の社説。「議員の歳費-2割削ってみせよ」と題して書かれていた。民主党執行部の言う「身を切る改革」とは、議員の皆が少しでも削るのではなく議員になる人を削ることで、議員の立場にいる人は何も削らずに済ませようということだ。岡田副総理は議員歳費のカットを提言しているにもかかわらず、である。

当たり前のことだと思う。国会議員の数が国民の数に比して多いか少ないか、世界中の国々との比較しても各国の事情があるから判断は難しい。しかし、今の1つのエリアで数人の議員を選ぶ限り、おのずとその数は多くなってしまうだろうから、衆参合わせて700人規模はやむを得ないと考える。平均すれば1都道府県当たり15人ではないか。
議員数が減れば1人の議員の声が大きくなる。極端な話が国会議員が1人だけなら、すべてがその人の思いどおりだ。いろんな意見が集まるからこそ会議としての意義がある。もちろん、そう単純な問題ではないのだろうけど。

議員の職に金がかかるのは承知している。今でも足りないという声はあるだろう。しかし、今の庶民は、例え足りなくてもその収入の範囲内で切り盛りしようとしてるわけで、そういう庶民感覚(桁は違うけど)を考えようとしないからこそ、「議員になったからには金はたっぷり貰うぞ」という発想なのだろう。

今、定数カットを叫ぶ人は、おそらく議員の立場に安泰としていられる人ではないか。それなりの地位にいれば比例区では名簿順位も高くて当選は確実なのだろう。逆に1年生議員などまだ身分不安定の人は2割カットでも「議員の立場にしがみついて…」「議員としてもっとやるべきことをしていくんだ」という志の人も多いかもしれない。

同じ2割カットなら、総数を減らさず、経費だけ減らすべきだと思う。そうしないと小さな声が抹殺されかねない。

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2011年6月23日 (木)

東北・高速無料化は誰のためか

1000円高速の利用者は被災者に限るとのことであるが、その被災者の定義が自治体によってかなりアバウトに運用されている。停電喰らっただけで被災者というのは、いかがなものだろうか。それであるならば東京や神奈川に住む人も当日は交通マヒで被災者である。自宅で停電と何キロも歩かされる羽目になった関東の人達とでは、どれだけ違うというのか。

国に言わせれば被災者認定は各自治体の権限であり国は関与しない、とのことだが、それは現行法上で仕方ない。でも、各自治体がもっと厳格に扱うべきだろう。甘すぎはしなかっただろうか。そのため、東北に住んでいるというだけで、実際には生活になにも影響していないのに被災者になっている。被災証明をネットオークションに出品するバカも現れた。とある自治体は住民全員に郵送したというのだから呆れた。この国の人達の意識はどうなっているのか、レベルの低さは何か、被害者意識もいい加減にしてほしい。こういう輩のために税金を投入しているのではないのだ。

そもそも被災者の高速道路を無料化する意図がわからない。公共交通はどうなってもいいのか。それだけの税金を投入するなら三陸鉄道を始めとした鉄道復旧や道路修繕に力を入れるべき。鉄道は民間事業者だから全額は出せない、なんて言うな。高速道路無料とは個人に全額負担してることではないか。先のように復興支援車などを無料にするのはわかる。でも、「本当に困ってる層は車流されてるのになw」(某巨大掲示板のコメント)の言葉のとおり、着の身着のまま復興のために走る人はともかく、優雅に高速道路をロングドライブするなんてヤツは被災者じゃない。それこそこの国の、東北人の民度を問われる騒ぎではないか。

100歩譲って無料化の意図はわかるとする。でも、それを逆手に取ることは税金を無駄遣いするということ。必要もないくせに、そして無料だからと手を出すのは戒めてほしい。そうすることで用もないところへ税金が流出することを防ぐことができるはずだ。

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2011年6月21日 (火)

高速道路1000円中止

高速道路の上限1000円が終了を迎える。個人的には痛みもあるが、クルマでの遠出はほとんどしないから気にするほどではない。

全国的に見て、観光地では「観光客が減る」と嘆いているようだ。でも、それは高いカネを掛けてでも行きたいという魅力に欠けているということ。魅力的な観光地作りを、今一度考えてみるいい機会になるのではないかな。

仕事の面では、バスへシフトする人が増えることも期待できるが、目に見える数字にはなりそうもない。オマケにバス事業者も支出が増えるわけで、そういう点ではイタイかな。1000円導入時に「バスの客が逃げる」なんて訴えてた事業者がいる半面で、支出も少なくなるはずだから、「そう文句ばかり言うなよ」と思っていた。なるようにしかならないのだ。

1000円高速の財源が税金で、その税金の使途を変えるために1000円制度を止めるわけだけど、それは正解。これも制度実施時に世間で騒がれたことで、マイカーを助長して環境破壊を進めるだけだし、個人使用のマイカーを推進して公共交通をダメにする施策だったのだから。公共交通利用にこそ税金を投入したほうがいい。いわゆる事業者への補助金ではなく、個人利用の助成金として。

1000円のおかげで消えてしまった公共交通は元には戻らない。辛うじて残った宇高連絡船や伊勢湾フェリーなど、今もしなかったとしたらどうだろうか。少なくとも地元の人にとっては生活の足であり大動脈だったはず。こちらも今一度、公共交通のありがたさを見直すいい機会にして欲しい。

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2011年3月21日 (月)

首都圏~東北の高速バス運行状況

首都圏と東北方面を結ぶ高速バスは、とかく被災地である宮城県(仙台)と岩手県(盛岡)だけがクローズアップしている。
だけど、新幹線がこのような状況下でも、被災地以外へ(から)移動しなければならない人がいる。
そのような人で高速バスの需要は高まっているようだけど、実際、その他のエリアとを結ぶ高速バスはほとんどクローズアップされない。
国交省のHPをたどると知ることはできるけど、いかんせん、すぐにわかるものではない。新幹線に代わる公共交通としてもう少し日の目を見せてあげればいいのに思うのは僕だけか?

国交省HPよりはるかにアクセス数は少ないけど、某社に勤める友人がこんなものを作ったので、参考までにアップしてあげる。

Photo_3
ま、あくまでも参考程度に。

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2010年12月 3日 (金)

会津バスが事業再生へ

会津乗合事業再生へ 企業再生機構が支援バス路線見直し
会津地方で路線バスを運行する「会津乗合自動車」(本社・会津若松市、資本金9000万円、従業員約400人)は2日、企業再生支援機構の支援を受けて事業再生を目指すと発表した。バスやタクシーなどの事業は従来通り継続し、路線や従業員数の見直し等で効率化を図るという。
支援決定となったのは会津乗合とグループ会社2社。会津乗合は、会津若松市を中心に約100路線の路線バスを運行するほか、県内主要都市や東京、仙台などへの高速バス、タクシー事業などを行っている。この日、記者会見した木村正晴社長によると、路線バスの利用者減少が続くなか、2000年の道路運送法改正で高速バス事業への参入が相次ぎ、競争が激化。路線バス事業での赤字を高速バス事業で補うことができなくなるなど、経営が悪化した。10年3月期は、売上高に当たる営業収益は約20億4000万円で、営業利益は約2億円の赤字となった。
(中略)
菅家一郎・会津若松市長は「支援を受けて事業が継続されることが決まり、市民の移動の足と従業員の雇用が維持されることになり安堵(あんど)している」、宮森泰弘・会津若松商工会議所会頭は「会津地域を広範にカバーする唯一の公共交通インフラとしての役割を担っている企業なので、1日も早い再生を願う」とそれぞれコメントを発表した。
この日夕、会津若松市内のバス停でバスを待っていた喜多方市の男性会社員(30)は「通勤で使っているが、5年前にも便が減り、最終便が早くなった。これ以上減ると困ってしまう」と不安な表情を見せていた。
(2010年12月3日  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukushima/news/20101203-OYT8T00137.htm
地方の公共交通の苦しい経営状況を表している。利用者の減少に追い打ちをかけて、地方バス会社の経営を支える高速バス事業の競争の激化。これが地方の公共交通が衰退していく図式である。利用者の声でもあるように次第に便は減らされていく。これからも不採算路線の見直しは続くだろうし、今まで以上になるかもしれない。
経営がひっ迫する理由の1つに利用者の減少るがあるけど、なぜ使われないのか、使う人に意見を聞くのは簡単だけど、使わない人に意見を聞くのは難しい。だけど地域の声を大事に、うまく再生してほしいと願う。

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2010年10月27日 (水)

似非高速バスはLCCになれるか?

飛行機の世界ではLCC、つまり格安航空会社が世に出回り始めている。格安航空会社は文字どおり低価格をウリにしている半面でコストを抑えている。また効率性を高めることで収益を上げている。そのために機種の統一化、余分なサービス品の有料化、そして座席の詰め込みによる定員の確保などが実施された。しかし、だからといって客室乗務員の削減などは最低限の安全面から実施されてることはなく、必要最少数は確保されている。労働者の賃金は抑えられているようだが、モチベーションを高める工夫は施されているとも聞いた。

日本でもエアドゥ、スカイマーク、スカイネットアジア航空など、老舗のJALやANAに価格面から対抗する航空会社が次々と現れた。しかし、結局は大手の傘下、支援を仰ぎながら運航せざるを得ない結果となっているようである。

ではバスの世界ではどうだろうか。格安をウリにする似非高速バスはバス業界のLCCと言えるのだろうか。
僕の考えはNOである。あくまでツアーとして運行している限り、似非高速バスはチャーター機だろう。バスの世界でLCCというならば、JRの「青春号」であったり近鉄の「カジュアル号」などだ。少なくとも同じ運行条件、同じ土俵で動いていなければ比較すべきではない。

バス業界のLCCは3列が標準の夜行バス系統に“詰込型”の4列を投入した。また、スリッパや毛布などのサービス品を削りコストの削減。それによりお客様への提供価格を数千円落としている。しかし、バス停、飛行機で言えば空港カウンターで受け付ける点についてはLCC(=青春号など)でも従来便(=標準系統)でも変わらない。
逆に飛行機の場合、チャーター機でも空港のカウンターで受け付けとなる。当たり前だが空港以外の場所で受け付ける、ましてや空港の滑走路以外の場所から飛び立つことはあり得ない。そう考えると似非高速バスはチャーター機ともまた違う存在レベルになるのか?

羽田の国際化で成田がLCCに売り込んでいるというニュースを見ながら、ふとそんな考えが頭に浮かんだ。

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2010年3月31日 (水)

就職活動ヤル気あるの?

とある団体から引き合いがあって、地方へ就職活動に向かうバスを運行することになった。商工会議所主催の合同説明会に向けて、Uターン組を中心に地元企業と接触する機会を設けようとするものだ。
この不況下に、けして大きくない地方の企業が人材発掘のために説明会を開くことはいいことである。しかし、正直なところどこまで本気に参加してるのか、穿った見方をしてしまった。合同説明会を開く手前、そこそこ企業が集まらないことには始まらない。反面、企業も要員を増やすほど余裕もない。むしろ減らしたいくらい企業が多いのでは? だから、相当いい人材がいればともかく、商工会議所との顔つなぎのために義理で参加してる企業がいるのではないだろうか。そんな考えが頭をよぎった。

一方の就職希望者に目を向ける。2011年3月卒業の学生を中心として集まったそうで、この氷河期に人生設計がなかなかできずご苦労なことだ。第一希望は有名大企業かもしれないけど、今や名前だけで会社を選ぶのが必ずしも幸せではない。地方のキラリと光る無名企業のほうが安定した日々を暮らせるかもしれないのだ。ぜひとも頑張ってもらいたい。

ところがどうしたものか、学生たちは就職に対して、しかも自分の置かれた時代に対して、もっと緊張感を持って挑まなくていいのか。そう考えさせられることもあった。
それは、せっかく申し込んだ合同説明会という就職活動の機会を、平気で忘れてるのである。説明会といえば初めてその企業に接触する日だ。これを逃す手はあるまい。それをいとも簡単に「忘れました」なんて、本気で就職したいのかと疑ってしまう。
帰ってきた運転士の話を聞くと、このバスに乗って合同説明会に行くと申し込んだ人の3分の1ほどが、当日現れなかったそうだ。同行の商工会議所?の職員が申込者リストを手に、現れない人のところへ片っ端に電話すると上記のような答えが大半だったとか。これでは本気で就職する気があるのか疑わざるを得ないし、この態度を知ったら企業側も採用をためらうに違いない。

以前の新聞の投書欄に、就職活動が思いどおりに進まないのは学生に難があるという採用側の意見があると思えば、学生はそれに反論するようなものがあった。(逆だったかも。)
だけどこの例を知ってしまうと学生に問題があると思えてならない。そりゃ一部を見て全部を判断するなと言うだろうけど、就職なんて所詮延べ数時間の印象で決まってしまうのだ。最初から一人ひとりを判定するより、「今時の学生像」で十羽一絡げで大括りしてしまうのはいたしかたない。それだけにみんなが緊張感を持って立ち向かわなくてはいけないのではないか。

就職活動の機会を与えるのはいいけど、学生がこんな態度では、もう2度と開催する気が起きないだろう。費用はすべて会議所?持ちで学生は自己負担なし。自分の懐を痛めないからキャンセルも無届で済ませてしまうようだ。こんなこと社会に出たら通用しない・・・なんて書くと「社会に出たらきちんとするから」と開き直るんだろうけど、こういう学生は採用にも値しないし採用もしたくない。社会に出る以前に人間性を形成してから出直そう。

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2010年3月28日 (日)

国道がまたも・・・

重要なフェリー航路がまたも消えようとしている。伊勢湾フェリーの廃止の話題だ。

伊勢湾フェリー、9月末に撤退 高速料金引き下げで利用者減
2010/3/25 3:00
三重県鳥羽市の鳥羽港と愛知県田原市の伊良湖港を結ぶフェリーを運航する伊勢湾フェリー(鳥羽市)は24日、9月末で同フェリー事業から撤退すると発表した。1964年から渥美半島と伊勢志摩地域の間の観光航路として利用されてきたが、高速道路料金引き下げの影響などで09年度の利用者は約45万人と前年度比24%減となり、採算悪化から廃止を決めた。
鳥羽市は同日、「地域経済への打撃が大きい」として対策本部を設置、25日に野呂昭彦三重県知事に航路存続を訴える予定。田原市も24日、国にフェリー存続の支援を要請することや愛知県に伊勢湾フェリーの伊良湖港の施設使用料の免除を要請することなどを決めた。25日にも神田真秋知事や民主党の愛知県連に要望書を提出する。
(日本経済新聞)


会社に伊勢湾フェリーから通知が届いたときは口あんぐりだった。
「伊勢湾フェリーよsign01お前もかsign03

伊勢湾フェリーは関東エリアのバス会社にとってはナイスなポジションにあり、伊勢方面へ行く際、うまい具合に短絡してくれる。陸周りでは距離が出てしまい2名乗務を心配する場合も、フェリーを使うことで距離を縮められた。
東京ICから伊勢ICまで、高速を使うと460キロ余りだ。前後の一般道走行区間を60キロとして、現在の1人乗務換算キロ方式を採用すると460+60×2=580キロ(実測520キロ)となる。
ところが東名を浜松ICで降りて一般道を進むと、東京~浜松230キロに浜松~伊良湖80キロ+その他の一般道60キロを加え換算でも510キロ(実測370キロ)程度で、十分ワンマン運行が可能な距離になる。埼玉、千葉のバス会社なら尚更この恩恵は見過ごせない。

お客様にとっても高速経由は丸一日走れ走れで行くのに対し、フェリー経由だと変化に富む、観光バスには打って付けのコースでもあるのだ。東京エリアを朝出れば浜松周辺で昼食。名物ウナギを食するにちょうどいい。豊川経由で行っても豊川稲荷参拝というコースが組める。そして渥美半島を伊良湖に向けて海沿いを進めば、ガイドさんから「karaoke名も知ら~ぬ遠き島より・・・note」の歌でも聞こえてこようというもの。船に旅情が云々というのもそうだけど、まさに道中を楽しめるのが伊勢湾フェリーの存在なのだ。

そして忘れてはならないのが「海上国道」という点。国道42号線は浜松から和歌山を結ぶ道路で、その間にこの伊勢湾フェリーを介している。たとえ民間でも国道の一部を成している以上、国が支援するのは必然ではないか。いずれフェリーと並行するように伊勢湾口道路ができるとはいえ、少なくともそれまでの間は国が維持して当然と思える。

各地で重要なフェリーが次々と消えている。なのに表立った国の支援が見えない。高速道路は全国の話題でも、フェリーは一地方に過ぎないということか。だから国も大きく動かないのだろう。報道機関も観光船の廃止といったイメージではなく、国の偏った政策のために、地元民にとれば東京の山手線くらい重要な足が消えるくらいの勢いで報じてほしい。

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2010年2月14日 (日)

2010春闘

そろそろ新聞には春闘の話題が載る時期である。
バス業界は、民鉄系バス労組の加盟する私鉄総連や交通労連のほか、公営交通の都市交が主な労組団体として存在する。その中でも私鉄総連は、大手私鉄も多くが加盟する私鉄労組団体の代表格である。

その私鉄総連のホームページを見て驚いた。http://www.pru.or.jp/
毎年この時期になると春闘のポスターやワッペンが掲出されるが、2010春闘のポスター、なんとまぁ萌え系ではないか。
Poster
ポスターのデザインは名鉄労組の人だそうだけど、ん~、なんだかこれ見て団結カンバロー!なんて気は到底起きないんだが・・・。組合の軟弱化を象徴するようである。

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2010年2月 7日 (日)

高速道路の無料化

先日、高速道路の一部区間無料化が発表された。これらの施策は民主党の公約だから今さら何を言っても無理だろうけど、高速バス事業者としては旅客の逸走による減収要因であることは間違いない。正直、遅延による逸走は、夜行便に関しては少ないと思うし昼行便もそれほど多くはないと思ってるけど、価格面では、複数での移動に限れば絶対的に不利なので、黙って見過ごしてはいられない。昼行便のとある会社の土日は2割減だという。景気低迷の昨今、平日の需要(主にビジネスユース)も下がっているが微減にとどまる。その何倍も下がっている原因は、レジャー支出の減少以上に交通機関の選択が変わった、つまりマイカーへのシフトが起きていることは明らかだ。

しかし、一方ではバス事業者にも恩恵がないわけではない。もちろん黙っていたわけではなく声を上げての結果だけど、バスも3割の休日割引ができた。でも、自家用車と異なり事前に届け出なくてはならない、上限額ではなく定率の割引、割引の恩恵は旅客に還元しろ、というものだ。早い話、手間がかかるし金額も長距離は長距離なりに必要だし、3番目の条件は、安くなっても自分のポケットに入れるな、ということなので、手間だけ増えてバス会社の恩恵はない?

実施当初、同業他社に様子を伺ったり高速道路会社にも相談した。3番目の条件は必ずしも安くなる金額すべてを還元する必要はないとのことだった。それも運賃で還元しなくてもいい。物でもサービスでもいい。だから会社によってはジュース1本付きだったり雑誌のサービスだったり百社百様。なかには「旅客需要に応じて増発便を運行」と、そんなの当たり前だっ!て理由でも通用してる。もう理由なんかなんでもいいんだ。

貸切の場合は簡単ではない。有料道路はお客様負担だ。お客様は当日乗車されるので、実際幾らかかったか目の前でわかる。しかし、当日ゲートを通った金額が実際の金額ではない。この表示金額から3割引かれてETC所持者、つまりバス会社に請求される。だから本当の経費は、高速道路会社からバス会社に請求が来る1ヶ月後までわからないのだ。バス代は事前に、有料道路は1~2ヶ月先の後払いなんてできるはずもない。お客様は可能な限り早めに、できれば当日の経費はその場で支払いたいと思ってる。概算で前払いしても清算を1~2ヶ月後では旅行会の会計報告もできやしない。せいぜい1週間だろう。
そのような非現実的な処理はできないから「ゲートの表示が3割引きにならないか」という注文を付けた。僕が高速道路会社に苦言を述べた後にもバス協会が提言したけど、「経費がいくらかかるかわからない。天文学的な数字かも」という返事だった。このまま放っておけばお客様とバス会社との信頼関係も損なわれかねない状態だ。

で、結局のところ貸切バス事業者では、単純に3割引きでお客様に請求する会社が多くなった。特に中小事業者でそう扱ってるところが多い。
だけど、ある程度の会社になると、どうしても「赤字を出してまで割り引くことはいかがか?」という発想が頭をよぎる。割引額の端数処理で10円単位で過少請求しかねないからだ。その作業は当日の運転士、ガイドに委ねるわけで、片手間に正確な計算を(特に区間別に)要求するのは無理がある。また、手間だけかかって自分の身に入らない(貸切の場合は有料道路実費負担の原則で完全にお客様還元)から、割引申請をしない会社もある。利用する側にとれば少しでも割引してほしいけど、結局、事業者側の視点に立った割引システムではないと考えずにはいられない。やるならもっと単純にしてほしいものだ。

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