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2013年11月14日 (木)

乗合事業の規制緩和の頃

2002年に乗合事業の規制緩和が行われた。事業者にとって良くも悪くもあって、撤退の自由が認められたのはプラスだと思う。過去の実績を引きずりながら不採算路線をいつまでも走らせる必要がなくなり、辞める自由が認められた。「公共交通なら維持しろ」という声はあろうが、それほど必要なら福祉目的で自治体が走らせればいいし、赤字分を補填するなり、維持に必要な運賃設定(実際には甘くはないが)をして1区間ワンコインの500円だっていい。

今思うと、2000年前後の運輸部門は戦々恐々としてたなと思う。どんな会社が参入してくるだろうかと想定やら妄想やらしていた。
路線バスでは、正直なところ拍子抜けするほど新規参入は少なかった。ピンポイントではバトルになったところはあっても、地に根付いた実績を掻っさらえるほど甘くはないと思ったのか。
長距離バス・・・今ほど昼行高速バスは多くなかったが、夜行便に限れば、宅配業者が参入する可能性はあるだろうなんてふつうに考えてた。全国各地に拠点を持ち、JRバスのような乗継ワンマンはお手の物。それだけコストダウンが図れるわけだし、特に地方の拠点ではP&Rも難しくなく、都市部でもまとまった土地を持っている宅配業者にとって、数台分程度の自家用駐車場を確保することは難しくないだろう。既存義業者には真似できないサービスが展開されると考えた。

そして荷物と人をまとめて運べるサービスも考えた。2階建てバスを導入して2階を客室、1階をトランク・配送荷物スペースにする。拠点持ち込み・受け取りを希望すれば夜発送して翌朝には届く。今の宅配の翌日配達便より速く、荷物輸送でもサービスが強化される。

荷貨物のついでに客を運ぶ。アート引越センターの“ファミリーサルーン”がこれ。でもこれは荷物が主で人は従。車両も1ナンバーで貨物用だ。アート社は旅客運輸免許はないと思うので人の運賃は取っていないし、特定の客だけを相手にしてるから広い意味での旅客輸送にはなり得ないが、人と荷貨物を同時に運ぶ発想が今後の事業として成り立つ可能性は否定できない。もちろん、旅客自動車か貨物自動車か、その線引きをハッキリさせる必要はあろうが、飛行機だって船だって、その昔は鉄道だって人と荷貨物は一緒に運んでるのだから、自動車だけがダメとする理由は乏しい。

振り返ると、宅配業者の参入は杞憂に終わりそうだけど、新たな敵は旅行会社であり貸切事業者だったということか。

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コメント

このトピックのコメントにするには、ふさわしく無いと思いますが、 お尋ねしたいことがあります。

バス会社にとって、福祉パス(シルバーパス)の存在って どういったものなんでしょうか?
まとまったお金が入るから嬉しいのか、 そんなものなくなって、正規運賃をもらった方がいいものなのか?
お金を払って乗っていると、それを持っているから、1区間で乗る人とかいて、「それが福祉か?」と、考えさせられることがあります。

投稿: 通りすがり | 2013年11月16日 (土) 09時36分

遅ればせながらコメントありがとうございます。
福祉パスの扱いですが、完全無料もしくは一定金額払えば乗り放題という方法は、正直なところやめるべきと思います。乗る側は負担額の何十倍もの補助金が税金から拠出されていることを忘れがちですし、事業者側も、どうせ安い客、タダの客という意識が心の奥底に芽生えてしまいがちだからです。他の客の目線も、けして良心的にはみていないと思います。できれば乗車ごとにワンコイン程度の負担をお願いしたほうが、乗るほうも乗せるほうも「客」としての扱いに納得がいくでしょう。
まとまったお金という点では嬉しくもありますが、それは需要に見合っていれば、ですね。残念ながら実質運賃は数十円にしかなっていません。「いつも混んでるから増便しろ」といわれる路線でも大赤字ということも普通です。私自身も乗った自社路線で「今のこの便の収入っていくらなんだ?」って思うこともあります。
もちろん正規運賃をいただくことは受益者負担の観点からも最も正しいと思いますが、わずか数回分の運賃相当で年間フリーパスという状態は、公共交通を維持する意味からもやめたほうがいいと思います。

投稿: みのむし | 2013年12月 3日 (火) 13時12分

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