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2012年8月

2012年8月27日 (月)

運送約款の改正

気が付けば1ヶ月の放置プレー。

この1ヶ月間、業界内ではいろいろ激しい動きがあった。
またまた発生した東北道での高速ツアーバスの事故。「乗務時間10時間以内」という新基準を勘違いしたとの発言をしているが、企画会社もバス会社も双方が勘違いしたとは到底思えない。あれだけ業界がデリケートになっている時期だけに、僕は確信犯だと思っている。
そもそも成田のバス会社を手配してTDRを22時に出発。仙台に6時に着いて仮眠場所が大崎じゃ、ふつうのバス手配師なら簡単に10時超は察しがつくだろう。素人じゃあるまいし…。おまけに企画会社のITSトラベルは自社サイトから東京~仙台間の企画を葬り去った。「なかったことにした」とすら揶揄されること自体が尋常ではない。
このような会社を放置する国の責任を問う声は自ずと大きくなろうが、僕はそういうバス会社の経営者や手配する企画会社の責任を消費者がもっと問うていいと思う。なぜ大人しいのか。それはやはり大きいモノを叩きたいという現れだろうか。二束三文のバス会社や旅行会社を叩いても面白くないからにほかならない。

僕の会社に直接関連するものでは標準運送約款の改正だろうか。7月末に公布され9月末に施行される。国交省の通達には施行日が書かれておらず、まさか即日施行かと疑ったが官報には書かれていた。脅かすなよ。

その約款。高速バス(座席or便指定制バス)関連では念願かなって払戻手数料100円からの脱出が図られる(第26条第2項)。今の約款では出発直前に1万円の乗車券を払い戻しても僅か100円の手数料しかもらえない。空いた席が埋まる保証は限りなくゼロで、バス会社が泣きを見るしかなかった。
それが改正後では出発2時間前以降は事実上のキャンセル不可。それ以前でも最大50%の払戻手数料が取れるのである。このあたりの改正はツアー系の旅行業約款に近いものになった。無闇と席だけ確保する輩を防止する意味も強いし、バス会社のリスクもかなり軽減されるだろう。

で、この新たな約款。国交省も慌てて作ったのがアリアリとわかり、今公開されている約款の前には意味不明の条文が載っている約款が掲出されていて、黙ってすり替えられた。せめて「誤記があり修正」と断れないのか。こうなったら8月1日の時点で公開されていた“標準約款”をあえて修正した自前の約款で認可申請をしてやろうかとも思うsmile。(その後、修正の通達は回ってきたのだが。)

ただ、ちょっと疑問なのが、10日目以降20%、以降段階的に100%まであるのだけど、仮に20%が100円に満たない場合の取り扱いが触れられていない。
例えば阪急バスの名神高槻から敦賀インターは大人1800円。これが小児の身体障害者割引なら450円になり20%は90円である。20%以内と規定してしまうと11日前は100円なのに10日目になると安くなるという逆転現象が起きる。こうなると誰も標準は使わずに「100円未満の場合は100円以内」とする各社独自の約款を申請するのではないだろうか。「このあたりのツメが甘いんだよ」と、またどこからか声が聞こえてきそうだ。

改正約款の大きな目玉は、この払戻手数料の改正だった。少なくとも高速バスを手掛けるバス会社の多くは期待していたし、それが実現したことで大きな一歩と感じていた。
しかしそうは問屋が卸さない。おまけが引っ付いてきた。精神障害者割引である。今は自治体ごとに実施されている(“ところもある”というのが正当だろう)この割引だけど、これが標準約款に謳われることで全国規模の制度になる。よって居住地に関係なく全国のバス会社が割引の対象となる・・・のだが、これまたからくりがあり、今、独自の約款を使っているところは、改めて申請しなければ現行使用の約款がそのまま適用され、精神割引はない。つまり標準が変わっても即実施ではないのだ。これについてはまた改めて触れたいと思う。今度の書き込みはいつになることか・・・。

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