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2012年5月

2012年5月30日 (水)

新たな動きが始まったけれど

なんとなく忙しい日々。相変わらず各方面から問い合わせがポツリポツリと来る。
今回の事故に関しての書き込みはもう終わろうと思ったのに、一昨日あたりからバス会社の社長逮捕など新たな進展があり、バス会社の許可取り消し、旅行会社の業務停止など、似非高速バス業界に激震が走ってると想像するに余りある。

バス会社の許可取り消し。これは何も反論できまい。ただ、このような会社は氷山の一角に過ぎないことは認識しておきたい。ネーミングからして堅気な会社とは思えないけど、日雇い運転士や点呼なし、教育なしなんて会社は少なくないらしい。陸援隊のように1つの会社に多様なカラーリングのバスが在籍する会社も、走らせること以外に金をかけてないと自ら認めているようなもので、僕はそんな会社は信じない。

旅行会社は、正直別件逮捕のような感がある。過重労働の強制ではなく旅行業法違反か。この方が違法性は明らかで、責任を問うには容易いからか。

さて、その旅行業法違反だが、第12条の5の「書面の交付」のことのようだ(産経新聞は「旅程管理業務違反」と報道してるけど…)。旅行業約款の「募集型企画旅行の部」第10条(確定書面)には、趣旨として「契約後交付する契約書面には確定された運送機関名を記載するが、それができない場合は利用予定の運送機関名を限定して列挙した上で、旅行開始日の前日までの定める日までに、確定状況を記載した書面を交付する」と定めている。つまり、遅くとも前日までに陸援隊のバスで行く旨を参加者に知らせていなかった、このあたりが違反だとされたようだ。
一般のバスツアーだと前日までに添乗員が参加者に電話してバス会社名を伝えているらしい。しかし、添乗員もいないツアーだからそのようなサービス、実はサービスなんかではなく義務なんだけど、それを怠っていたということは重罪だ。
でも、今の似非高速バスが全てこのようなきちんと対応するようになれば、本当に今の価格設定で出来るだろうか。1人の係員がバス何台分も受け付けているのを見ると、1日で100人もの人に連絡をつけ、バス会社はここで、集合場所はどこでと、3分も電話してれば300分、優に5時間仕事が出来るとは思えない。もちろんメール発信でいいわけだけど、その登録も簡単なのか。今日の明日にでも実施しなければ全社が違法行為状態なわけで、旅行会社が怯えているのも頷ける。

また、参加者個々人の掌握も暗礁に乗り上げているようだ。どうやらポーズで掛け声だけは掛けたものの、今の楽天トラベルなどは代表者しか登録しないし、参加者全員の名前を登録するにはシステム改修も必要で、正直、受託会社の立場でどこまで対応するだろうか。ま、楽天は宿泊のシステムでは全員の名前を入力するので、ある程度は構築されているようだけど。楽天で取り扱っている某私鉄系バス会社から聞くと、楽天の担当者もあの事故以来、ホトホト参っているそう。もしかするとツアー系から手を引くかもしれないな。

バス業界としてはこれからもいろいろ動きが激しくなりそうだ。あと半年はこの話題に振り回されそう。

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2012年5月20日 (日)

国交省の監査体制

今日も国土交通省の監査体制の甘さを指摘する記事があった。これは至極当然ことであり、国交省も反省をする必要があろう。
ただ、事業者数に対して圧倒的に要員が少なすぎる。毎日新聞の記事によれば、バス・ハイタク・トラックが全国に12万社以上あり、それを300人で監査するというのだ。単純計算で1人で400社。毎日通って2年で一巡である。これはおかしすぎる。

贔屓目に見るわけではないが、要員が少ない前提には、そう年中する必要なしという考えがあるのかもしれない。これは性善説に立ってのことだろう。
また、監査をしろという前に、悪さをする事業者に対する厳しい目が必要ではないか。監査をしないから悪事が見抜けないのではなく、監査をしなくても悪事は働かないのが当然の考えである。それでもどんな会社でもやむなく一線を越えてしまうこともあるけど、少なくとも違法を承知で日常的に運営していることはあるまい。

レベルの低い事業者が乱立したのは、やはり規制緩和でハードルを下げたことが1つの原因だと思う。規制緩和だけが原因とは言わないけど、悪事を平気で働く人が事業者になっている事実はあるわけで、これを機に、徹底的に業界の膿を取りだして、バス業界に向けられる視線を新たなものにしていってほしい。

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2012年5月17日 (木)

実車だけが運転士の労働なのか?

高速ツアーバス:業界団体が安全対策発表 状況の公開も
(前略)
「高速ツアーバス連絡協議会」(村瀬茂高会長)は16日、乗客を運ぶ距離が450キロ以上ある夜行バスについて交代の運転手配置を義務付けるなど安全対策の指針を発表した。指針が守られているか調査して各社の状況をホームページで公開し、順守の程度が悪質な場合はチケット販売を停止する。
協議会にはツアーバスを企画する9割の旅行会社が加盟。指針では▽運行を依頼するバス会社の法令順守や安全確保の状況を書面で確認▽バスの運行指示書の内容をコピーなどで確認▽バスの車番や運転手の氏名と連絡先を把握することなどを義務付ける。
加盟社に指針の順守状況を10日に1回報告させ、協議会も状況把握のためバス会社を抜き打ち調査する。調査結果を6月初旬から協議会のホームページに公表し、指針を著しく守らない加盟社のチケットは販売会社に要請し販売を停止するという。新たな国の指導などがあれば、さらに指針の内容を厳しくする。
毎日新聞 2012年05月16日 20時19分(最終更新 05月16日 22時13分)

このニュースを見てアレレと思った。どうも旅客輸送中の距離、業界では「実車」と言うが、その距離だけが基準で回送距離は考慮しないというのだ。
業界団体なら知らぬはずなかろうが、排ガス規制対策として、TDR目的に千葉県内の成田ナンバーなどを取得する新規バス事業者が少なくない。今回の陸援隊もその1つと推測される。例えば成田ナンバーの事業者(例:陸援隊)がTDRに回送すれば、僕の試算(5月1日付参照)では50キロを超える。
そしてTDR~東京駅の2箇所だけで集客して名古屋駅へ向かうとすると、TDR~東京駅で20キロ、東京駅~名古屋駅間が355キロ、名古屋駅~仮泊のラブホまで5キロとすれば、実車は375キロだが、回送込みで約430キロ。
一見、回送込みでも450キロ未満で安全圏と思われがちだが、実際、TDR・東京駅~名古屋駅のみで完結するツアーはないに等しく、楽天トラベルで見る限り全ての企画が新宿経由(これで5キロは加算)で横浜経由も珍しくなく(配車権逃れの横浜始発~TDR~新宿なんてのもあり)、名古屋側も豊田や岡崎経由もあったりして、単純にTDR~名古屋ならワンマンOKというのなら非常に疑問が残る。
もちろん、これらの企画がワンマンであればという前提だけど、最安値の2500円のツアーなら満席乗せても片道10万円。ここからコミッション等の経費を除けば、とてもツーマンでは割が合わないだろう。

ところで、最安値の「利用予定運行会社」を調べると、印西市や野田市のバス会社だ。やはりTDRまでの回送に50キロほどかかる。営業区域に違反はなくても、これほどまでに遠いエリアからバスを借りるのはいかがなものか。排ガス規制エリアのバスは高いのか。そもそもコストダウンと安全は両立できるハズなのだから、安全性を高めること(ツーマン化)を理由に企画の価格設定が上がるのは、当初の言い分とは異にすると思うのだが。

はたして、実車450キロがワンマンでいいのか、あえて疑問を投げかけたい。

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2012年5月10日 (木)

やっと報じられ始めた換算キロ

高速バス衝突 予定ルート、上限超え 旅行業界「距離守れば商売にならない」
産経新聞 5月10日(木)22時14分配信
群馬県の関越自動車道で7人が死亡した高速ツアーバス事故で、事故を起こしたバスの運行予定ルートは、指針で定められた運転手1人が1日に運転できる上限670キロを超えていた可能性が高いことが、国土交通省の試算で分かった。
国交省は、バス会社「陸援隊」(千葉県印西市)が6日の記者会見で示した石川県内の宿泊先から千葉県内の事業所までのルートを基に、指針に沿って算出。その結果、上信越道経由で796キロ、関越道経由は837キロとなった。
指針では、高速道路の運転よりも走行に時間がかかり運転手の負担が大きいとして、一般道の走行距離を2倍で計算することになっている。ツアーを企画した旅行会社「ハーヴェストホールディングス」(大阪府豊中市)は、運行距離は545キロと説明していた。
旅行会社が指針の内容をよく知らずに運行を計画していた可能性もあり、国交省は詳しく調べを進める。
運転手の最大運転距離の上限を大きく超えた運行ルート計画が明らかになり、バスの安全に対する旅行会社の認識の甘さがあらためて露呈した。「距離を守れば商売にならない」。背景には、旅行業界に指針を軽視する傾向があるとみられる。
国土交通省によると、ハーヴェスト社の計画ルートは800キロ近くに達している。同社幹部は高速ツアーバスの事故後、「安全上の対応に問題はなかった」と繰り返し発言していたが、同省幹部はこうした釈明に「違和感があった」と明かし、「(同社の計画は)運転手1人での運行には無理がある。安全面を軽視している」と批判した。
同社は取材に対し、「再計算の結果、約609キロで指針内だった。国交省がどういう根拠で示したかわからない」と不満を述べる。だが、指針では営業所から出発点までなどの回送区間も計算に含まれ、同社の試算に回送区間の距離を加えると、670キロを超える。
「厳密に距離を計算すれば商売なんてできないよ」。埼玉県の旅行会社社長は業界の実情についてこう語った。例えば、東京-伊豆(静岡県)間のように、2倍で計算される一般道の運行が多い区間では、「計算式に当てはめると営業できなくなる」と指摘。また、別の会社は「距離は地図で測っただけで計画を立てる。法的に安全面の責任を負わない旅行会社はそんなもの」と話した。千葉県のバス会社は「指針を守っても、仕事がないなら意味がない」とこぼした。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120510-00000614-san-soci
昨日あたりからやっと換算670キロが報じられるようになった。拙ブログには国交省からもアクセスがあるので、担当者さえ気付いてくれたら10日も経たずにもっと話題性があったのに・・・。今や新聞でニュースを探すのも一苦労。

5月1日付の拙ブログで僕なりの試算をしたけど、このときは使える高速道路は出来るだけ使って換算708キロだった。おそらく金沢~高岡間や都内、そして回送でなんかは高速道路は使わせないだろうから、さらに77キロ加算の換算785キロは最低かっていると思っていた。
ハーヴェスト社の「国交省がどういう根拠で示したかわからない」とはよく言えたもの。旅行業協会を通じて旅行会社にも指針が伝わってるのは既述のとおり。ふざけるなと言いたい。そりゃ法的拘束力はないけど、一定の過労水準をはるかに超えた行程作りは過重労働の強要であり、それこそ犯罪だろう。

「厳密に距離を計算すれば商売なんてできないよ」・・・この背景には消費者の無理解がある。僕の会社もちょっと高めなので、見積もり出して断られるのは慣れたもの。「価格だけで決めるのであれば結構です」と、お断りの電話には必ず付け加えている。自信があるから高いし、安いとこを使って失敗すればざまぁ見ろと思う。長年付き合った団体も幹事の代変わりで逃げられたこともある。だけど2年後に「やっぱり・・・」と戻ってくるのも珍しくない。
それもこれもきちんと守るべきものは守ってるからだと思う。そりゃ完璧ではないけど超えてはいけない一線を故意に越えることはしない。それを当然と思わない中小零細バス会社、旅行会社があり、それと同列に思われるのは非常に心外だ。

マスコミもようやく気付いたか換算キロ。もう少し深く掘り下げて報じていただき、これを守る会社もあることをきちんと伝えてほしい。

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2012年5月 7日 (月)

高速ツアーバス連絡協議会の存在

高速ツアーバス連絡協議会の存在が今回の事故でも出てきたが、ここのHPでも、事故に関するコメントが出された。事故とは直接は関係ないが、やはり組織としての立場もあろう。

だけど「かねてより会員各社に安全運行の確保を促してまいりました」の部分が引っ掛かる。確保を促してきたのは事実としても、その実態調査をするとしていながら、少なくとも1年以上放置していたとのことだ。(日経新聞電子版5/2配信)
この記事は会員でないと読めない(無料会員制度あり)ので詳細は端折るが、2010年に加盟各社の安全対策を調査して11年に公表すると言っていたにも拘らず、公表どころか調査すらしていない。その理由として「制度改正への対応に追われた」と釈明してるそうだ。まさか自信がないから調査もできないわけではあるまい。

制度改正、つまりは新高速制度への準備だろうが、なんか自分たちの都合のいいことには積極的に、都合が悪いことには消極的に進めているのではないかと疑ってしまう。やっぱ考え方が違うよな。

かつての協議会の事務局を務めた元楽天バスサービスの取締役だった成定氏。この人のブログ「高速バス新時代」でおもしろいコメントを見た。
2010年9月の総務省勧告以降も違法駐車状態が一向に改まる気配がないとの発言に「各社とも新高速への以降に精力を傾け、駐車対策がおろそかになっている」と、発言者の言葉に替えて返答している。
やはりおかしいと思う。結局はご都合主義か。あくまでも現行法を遵守した上で法改正を訴えるべきで、強行はいけない。それに違法駐車をしないことは今すぐにできる安全対策であり、しないことをできない理由は何なのか、それをぜひとも知りたい。

もちろん、路線系も完璧なまでの100%法令順守はないだろう。でも知っていながら「法令を守っていたら事業はできない」なんて考えは微塵もない。五十歩百歩と言ってしまえばそれまでだが、少なくとも今回の旅行会社、バス会社のような考えは一切ないのは断言できると思う。

ところで・・・成定氏は今回の事件に関して高速バス事業(路線&ツアー)の有識者してインタビューに出てたけど、ツアーバス協議会の立場にいたらと思うと、心中複雑ではないかな?think

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2012年5月 6日 (日)

旅行会社も知ってるハズの国交省指針

旅行会社としてのハーヴェスト社は、ワンマンかツーマンかを判断する立場にはない。これは僕の自論として「旅行会社が労務管理や運行管理に口出しするな」という考え方でもある。
行程的にきついものは、バス会社が判断すべきもの。よってバス会社の運行管理者には、それなりの資質が問われる。それがかつては経験と、非常に安易な(“簡単”とはあえて言わない)試験で資格が取れたものが、今は試験制度となり、僕も試験で正式な運行管理者の資格を取るに至った。
ただ、規制緩和の流れか、かつては「乗合」「貸切」と分かれていたものが「旅客」に統一され、ある意味安っぽくなったのかなと思う。一方、乗合事業者は貸切事業も兼務してることが多いので、旅客だけを取れば助かるという一面もある。

さて、旅行会社だからどのくらいが過重労働になるのか判断できない、という言い訳は成り立ちそうだが、少なくとも670キロ問題を知らないとは言えないのが、かつて国交省から旅行業協会を通じて出された指針である。
4月29日付の拙ブログで紹介した国交省の指針。これは日本旅行業協会(JATA)や全国旅行業協会(ANTA)にも配信されており、これがある以上、旅行会社にも「知らなかった」「バス業界の問題」とは言い逃れできないし、今回のバス会社の社長の言う「旅行会社が1人で大丈夫といった」のが事実なら、それこそ旅行会社の過失を問われても不思議ではない。ましてやハーヴェスト社はバスも保有してるのである。
JATA http://www.jata-net.or.jp/koknai/080707_businfo.htm
ANTA www.anta.or.jp/law/pdf/bus_koutai_sisin_mlit200627.pdf

何度も書いたが670キロは実キロではない。一般道2倍の換算である。ややこしいかもしれないけど、バス会社ならプロとして対応すべき。それができてこその運行管理者である。
また、似非高速バスを企画する会社も指針を理解することは当然として、なぜ路線系が2名で乗ってるのか、この金額になるのかを理解する必要がある。走るだけを真似て儲けようなんてしないことだ。

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国交省の対策は如何に?

国交省が悠長に構えすぎていた感はあり、総務省もさっさと仕事しろと言わんばかりに2010年9月10日に国交省に対して勧告を出している。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/34390_1.html

これ以降、国交省も全く動いていないわけではなく、事実、今年の4月3日には「バス事業のあり方検討会」の最終報告書を公表した。
http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha03_hh_000116.html

これ自身は吹田のスキーバス事故だけが原因ではなく、今まさに問題と化している似非高速バスに対する諸々の問題を前提に議論されてきたと理解している。
これだけ見ても無策だったとは思えず、ただ、時代の流れに行政の動きが追いつかないのだなと思うが、結果として遅くなっている(後手ではない)のは事実だろう。

また、JRバスの飲酒問題(2003年8月 参考http://response.jp/article/2003/08/19/53159.html)などを機にアルコールチェックなどの点呼時を厳しくする運輸規則の改正が度々あり、うちの会社でもアルコールチェッカーの購入は当然として、目に見えない部分での負担も相当ましているのは事実である。

20年も30年も前なら「酒飲んで運転できないようじゃプロじゃない」なんて言えたかもしれないが、そういう時代はとっくのとうに過ぎている。だからこそ厳格に運営しているのだけど、結局のところ、どんなに規制を厳しくしても守ろうとする意識がなければ守られない。極論、殺人罪がある一方で殺人事件はあるのだ。

守ろうという意思のない人を如何に見分けるか。これはとても大変だと思う。だからこそ事後チェックも必要なのに、その監査する人は少ないときた。規制緩和がすべて悪とは言わないが、片方だけ門戸を広げても、全体をそれに見合った規模に修正してこなかったのは、やはり問題を大きくした。規制緩和を先走るばかりに起きるべきして起きた事故。我々消費者も、全体を見渡すよう努力すべきだろう。

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2012年5月 3日 (木)

夢の国へ輸送したそのあとで…

<関越道バス事故>「あすは我が身」運転手たちの不安と不満
毎日新聞 5月2日(水)22時4分配信
(前略)
2日午前9時、東京メトロ葛西駅前(東京都江戸川区)。ホテル街を高速ツアーバスの男性運転手2人が歩いていた。東京ディズニーリゾート(TDR)から北西へ3.5キロ。この街は、地方都市とTDRを往復する運転手たちの仮眠場所になっている。(中略)
前夜に会社がある石川県を出発、2時間ごとに休憩を取り、交代で運転しながら朝になってTDRに着いた。駐車場にバスを止めて路線バスで葛西駅まで来ると、会社が予約したラブホテルへ。同じ部屋でダブルベッドの脇に簡易ベッドを置き、体を横たえる。このホテルで多くの同業者が仮眠しているという。
(中略)
北陸-東京間を連続3往復という過酷な勤務もある。バブル期に500万円近かった年収は300万円余りにまで減った。石川-東京間の料金は4000円を切る。「価格競争は運転手の賃金と安全管理に跳ね返る。家族はツアーバスには乗せたくない」
(中略)
同じころ、葛西駅近くのビジネスホテルのロビーで、30代の男性運転手が時間をつぶしていた。明け方に着いても、チェックインできるのは早くて午前10時だという。
(中略)
大阪のバス会社に勤務し、観光バスを運転しているが、繁忙期はツアーバスのシフトに入る。「原則、2時間で交代。月に4~5回の休みもある。それでも夜の運転はきつい」。1日のワンマン運転の上限を670キロとする国土交通省の指針を事故後に知り、「机上の空論」と感じた。総務省によると、約9割の運転手が睡魔に襲われたり居眠りしたりした経験があるという。
大阪-東京間を当たり前のように1人で運転させる会社があれば、夕方まで観光バスに乗せ、そのまま夜行バスに乗務させる会社もあると仲間から聞いた。「運転したこともない役人が基準を作っている。基準を作る人は夜中にハンドルを握ってみてほしい」。男性は訴えた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120502-00000092-mai-soci

やっとツアーバス業界の実態が見えてきた感がある。
TDRでの仮眠場所って3.5キロも離れ、しかも歩いて行き来してるのか? おまけにラブホとくれば、相手側の地の共同運行会社、片乗り入れでも提携会社がある路線系の世界では考えにくい。せめて直近のビジネスホテルか。
それにしても男2人でラブホ・・・ねぇ~。申し訳ないけどこんな手配してる旅行会社って、運転士への敬意というか人格尊重というか、まったく眼中にないんだと思う。「寝られりゃいいだろ」ということか。

ロビーで待機というのもおかしな話だ。それでは結局、運行指示書上は取れるハズの仮眠時間が取れないということではないか。こういう誤魔化しもあるのだろう。
うちの路線でも、共同運行会社の仮眠場所だけでは足りずにホテルを手配することがある。また、他社の例ではホテルを年間契約して、何時に着いてもOKという体制でいる。突発的な手配だと「前日から空けねばならないし、当日は使えないので」と2泊分要求されることもあるが、それも経費だ。その経費はツアーの場合、ツアー会費に跳ね返せば済む。
今回の事故の運転士もホテルを16時にチェックアウトし22時の出発まで時間があったが、おそらくデイユースが16時までだったのだろうと想像する。だから追い出されて、空白の6時間が誕生するわけだ。こう考えるとチェックインの8時も怪しいものだ。部屋に入れたのは10時過ぎか?

北陸~東京連続3往復・・・これは少し頭が痛く、どうしようもないときは発生してるし、阪神大震災の頃のように労務管理にここまでうるさくなかった時代は6往復くらい平気でやってたと先輩が言ってた。日勤の後の夜行も珍しくなかった。今でも労働時間の平均化から、夕方ラッシュの路線に数時間乗ってから夜行に乗務という会社はある。
それでも年収が下がっている。バブル期の500万が今は300万。これは観光専業なら似たり寄ったりと思う。ただ、20年前500万もらってた人が今300万とは、ここまで落ち込むのかなと、専業に縁がない僕は感じている。路線系バス会社だと上げ幅は縮小されても下がるということは、会社が余程のリストラを敢行しなければ20年間で200万も下がるまい。もちろん個人レベルで転職を繰り返していればいつまでたっても初任給なのだが。

ツアー系に使われる全てのバスがそうとは思わないけど、噂されてた実態を垣間見た気がした。

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マスコミは国をバッシングしたいだけなのか?

とあるテレビ局から問い合わせを受けた。日頃から疑念している670キロ問題を正確に報道していない旨の苦言を述べた。しかし、少なくとも電話の相手は一般道2倍について、多少なりとも理解しているようだ。それを前提に「670キロは長すぎると感じているかを事業者に問いたい」とのこと。
僕自身、出た目の670キロは長いと感じるのでその旨は答えた。しかし「換算670キロなら一概に長いとは思わない」と答えた。それこそ一般道だけなら335キロの行程で670キロオーバーだから、配車地まで20キロ回送すれば往復40キロのさらに倍で80キロ消費し、残る300キロ弱を、それこそ東京や埼玉から伊豆下田辺りの日帰り観光だと、かなり危ない距離に達してしまうからだ。
「伊豆の日帰りでツーマン?」と思われるかもしれないが、曲りくねった一般道が多い伊豆半島では、かなりキロ数を稼いでしまうのだ。だから一概に670キロが長いとは思えず、出た目のキロ数(実キロ)も併用する方式であった方が現実的ではあると思う。

個人的には500キロが限界ではないか。実キロ500を大前提とし、換算670を超えたとしても、実キロで400程度であればOKと考える。

では何故マスコミはあえて換算キロを報じないのか。おそらく670キロという数字が極端に長い数字であり、「こんな長距離を認めている国のやり方が問題だ!」と叩きたいのではないかと考えた。

では本当に国は無策だったのか。これについては吹田のスキーバス事故以降にいろんな指針が出されたことを含め、追々書いていきたい。

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2012年5月 1日 (火)

関越道事故のバスの走行距離は?

今日は休みで暇なので、このバスの走行距離を、換算キロで測ってみよう。
報道されてる範囲では、白山市のホテルに泊まり、金沢と高岡で乗客扱いをしてTDRへ、長岡経由で運行したそうだ。長岡経由は渋滞状況次第で上信越経由と使い分けていたということだから、長岡経由も想定した上での乗務員配置がされているかが気になる。

・白山のホテル(不明なため市役所を基準とする)~金沢駅~金沢東IC
 一般道17キロ(換算34キロ)
 http://g.co/maps/6gjp6
・金沢東IC~高岡IC
 高速道路37キロ
 http://g.co/maps/9qe5u
・高岡IC~高岡駅~小杉IC
 一般道15キロ(換算30キロ)
 http://g.co/maps/qa7u7
・小杉IC~長岡JCT~練馬IC
 高速447キロ
 http://g.co/maps/5tc7z
・練馬IC~新宿駅~東京駅~京橋RP
 一般道28キロ(換算56キロ)
 http://g.co/maps/8358d
・京橋RP~葛西RP
 高速15キロ
 http://g.co/maps/nxzr8
・葛西RP~TDR
 一般道3キロ(換算6キロ)
 http://g.co/maps/hmja5
・TDR~浦安RP
 一般道4キロ(換算8キロ)
 http://g.co/maps/e45wm
・浦安RP~千葉北IC
 高速25キロ
 http://g.co/maps/2vq9x
・千葉北IC~車庫
 一般道25キロ(換算50キロ)
 http://g.co/maps/jpb7a

単純に616キロとなった。回送を含まない数字が報道では先行している。
で、肝心な換算キロだが、実に708キロになった。
もちろん、この数字は僕の想定の数字であり、バス会社や企画会社では他のルートにより38キロ以上短い行程を作っているのかもしれない。しかし、この数字を見る限りでは、旅行会社も確信犯ではないかと疑ってしまう。はたして真相はいかに。

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