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2010年7月

2010年7月31日 (土)

関東バスの3扉車

路線バスのドアは前ドアは当たり前として(車掌乗務の頃は当たり前ではなかったけど)、これに加え中ドアあるいは後ドアの2ヶ所あるのが標準である。地方により中ドアか後ドアか主流が分かれるようで、関西は後ドア派が多いようだ。東京など関東は中ドア派が多い気がする。
しかし、バリアフリー化にともない、構造上、段差が避けられない後ドアは淘汰される傾向にあるようで、大阪や京都でも中ドアのバスが珍しくなくなっている。

鉄道の世界では多扉車は珍しくない。「ドアが5ヶ所も6ヶ所もあるのは、まだ珍しいのでは?」と思うけど、鉄道車両を歴史的に見れば通勤型標準の4ヶ所も乗降時間短縮のための多扉車の発想であり、そう考えれば鉄道の多扉車は生活の一部になっている。
ところがバスの多扉車というとレアなようだ。発想は鉄道と同じく乗降時間の短縮だけど、その効果を発揮するのは主に降車時、それも一気に吐き出せる運賃先払い区間でしか意味がないことで、国内の大多数を占める後払い区間では、中古は別としておそらく採用されていないのではないかと思う。
それでも多扉車は、思ったほど多くの事業者は保有しなかった。やはり車種そのものが特殊だからか。

20100731
画像は関東バス。かなり古くから3扉車を導入しており、僕にとって関東バスは3扉車のバス会社だった。それも運用方法が他社と異なり、後ドアを常用し、中ドアが終点専用にしていた。他社が中ドアを常用としていたので異彩を放っていた。

関東バスに訊ねたことがある。その答えは「車内の人の流れのため」とのこと。
お客様(立ち客)は出口ドア付近に集中しがち。一般的に最後部までギューギュー詰めというのは珍しく、「後ろの方に空きがあるのに(前だけ混んで)乗れずに満員通過」という事態もある。今はノンステップバスの特殊事情も加わっているけど、昔から「後ろまで詰めて下さい」というのはラッシュ時の運転士のお約束の言葉だった。
関東バスはこの解消策として、後ドアを常用することで最後部まで人の流れを作ったのだ。頭のいい発想である。
また、事故防止の観点もあった。先日も痛ましい事故の報道があったけど、まさにこのような事故を防ぐために、このような運用にしていると聞いたことがある。

ところが時代はバリアフリー。後部ドアのままノンステップ化は困難だし、特別仕様を造るほど財力もなさそうな業界や事業者にとって、標準仕様のバリアフリーなバスを導入するのは、もはや当然の結果だった。そのため関東バスも中ドアのバスが多勢を占めるにいたった。

でも、車種の変更なんか簡単ではない。新車に買い替えるだけと考えるのは素人で、そこには走行環境の整備も必要だ。歩道付きの道路にはガードレールがある。ガードレールはバス停のドアの位置に合わせて切り込みがあり、当然ながら関東バスも前ドアと後ドアに合わせてガードレールを外していただろう。それを中ドア部分も切り込みを入れなければならなくなる。その工事だけで莫大な費用だ。道路だから道路管理者(自治体など)がやってくれるなんて思ってはいけない。そこは公道をお借りして営業している身。これらの整備費用はすべて事業者負担。それも工事をしたいとお伺いを立て、許可を得る必要がある。おそらく関東バス1社だけでも百万単位の出費になるだろう。バリアフリー車両の補助金はあっても、これら工事費用まで補助してくれない(と思った)。財政的に厳しい事業者にとっては重い負担なのは間違いない。

・・・こんな記事でブログを書こうと進めていたところでこんなニュースが飛び込んできた。

関東バス:消える3扉車「さよならツアー」 /東京
関東バス(中野区)は来年度での引退が決まっている「3扉車」との名残を惜しむ「さよならツアー」を8月に開催することになり、参加者を募っている。
「3扉車」は前部と中央部または後部の2カ所にドアを持つ一般的なワンマンバスと違い、前
・中・後の3カ所にドアを設置したことが特徴。前乗り方式で乗降客が多いターミナルで中央と後部の2カ所のドアを開けば降車時間を短縮できるメリットがある。関東バスは1964年度から業界をリードして導入し、長年にわたって主力車だった。
しかし、バリアフリーの導入で低床化が進み、ステップが高い車体は時代の流れに取り残される形になった。現在、同社には39台の「3扉車」があるが11年度中にはすべて姿を消す。バスマニアや通勤、通学などで利用した人のなかには関東バスの象徴的存在だった「3扉車」に愛着を感じている人も多いため思い出を作ってもらおうとツアーが企画された。
(後略)
http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20100729ddlk13040292000c.html
ついに3扉車も全廃のようだ。あまり乗る機会はなかったけど、3扉車の先駆け的存在である関東バスから3扉車が消えてしまうのは非常に寂しい。どこかの車庫の片隅にでも、静態保存、車庫内だけの動態保存でもいいからしてくれないものだろうか。

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2010年7月28日 (水)

コクーンシート

なんかウィラーって詰めが甘いよなぁと思ったら…
http://travel.willer.co.jp/x/bus/dynamic/3/ja/html/pc/bus/premium/c_index.html
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/022/22836/
http://ameblo.jp/hbv502/entry-10598881254.html#cbox
ウィラーバスのコクーンシート。驚いたのはこれだけの設備を擁しておきながら前後10列、早い話が基準となるシートピッチが90センチ足らずということと、シートの横幅の狭さである。
まぁ、コクーンというくらいだから一人々々が殻に囲まれてるので意味的には間違いないんだけど、宣伝には前後5列分しか載ってないので、シートピッチも150センチほどの凄さで、さすが既成概念にとらわれない会社だと思ったのだが、結局この程度のシートピッチとは…。それで斜め掛けなわけだと納得できた。

この斜め掛けだけど、既に弘南バスのノクターン号のスーパーシートに採用されている。ところが乗った友人の話だと「酔った」とのこと。夜行バスでも旅慣れた人だからそんなことあるまいとは思うが、やはり斜めに座っての10時間は今までにない経験だったのかもしれない。そういえば小田急ロマンスカーのVSEに採用されている5度の傾きでも酔う人がいるらしい。結構人の身体って敏感にできてるものなのだ。

さらに、これだけの設備の割に、見た瞬間のシートの横幅の狭さにもちょっと疑問を持った。僕自身、座り心地はシートピッチもさることながら横幅も重要との認識を持っている。完全3列より1+2列のほうが座り心地がいいことを実感しており(2列窓側の出入りのしにくさは置いといて…)、横幅の重要性は知ってるつもりだ。だからウィラーサイトの画像を見たときに?とは思ったけど、やはり普通の観光バス並みの横幅しかないようだ。これでは囲まれているだけの利点しかなく、JRのプレミアムシートのほうが安くて快適なんではないかな?

ウィラーターミナルを見たときも思ったけど、最後の詰めの甘さがこの会社には目立ちすぎ。ま、利用者のほとんどは気付かずに終わるからいいとして、法的不備も動き出してから改める面が少なくない。もっとシッカリした会社なら脅威とも映るんだけど。

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2010年7月24日 (土)

旅客サービスか?環境か?

この時期の悩ましきこと。
今やバスの冷房は100%で(ない会社もあるけど)、乗った瞬間の涼しさは地獄から天国への気分だ。
ところが、地球環境保護をお題目にアイドリングストップを推奨する会社が少なくない昨今、始発地でのエンジンストップは当たり前になった。発車まで5分10分あると、必ずやエンジンを止めるよう指導しているし、世間もそれを承知している。

そこで問題になるのが「アイドリングストップをしてまでお客様を酷暑の車内で待たせるのか?」である。
路線バスのクーラーはエンジン直結型で、メインエンジンをかけないと作動しない。だからエンジンをストップさせることは冷房を止めることとイコールである。逆に、冷房をつけるにはエンジンをかけないとならない。つまり、お客様に快適性を提供するにはアイドリングストップはできないのだ。

いつだったか、相反する苦情をほぼ同時にいただいた。暑い車内で待たせるのが客商売か。アイドリングストップもいい加減にしろ!、というものと、アイドリングストップと言いながらエンジンかけっ放しなのはいかがなものか。地球環境を何だと考えている、というものである。
うちの会社がアイドリングストップをするしないが完全徹底されていないのも悪いが、この両者を対面させて議論させてやりたいほどだ。消費者のニーズを100%応えるなんて出来やしないけど、こうも相反する意見を聞いてしまうと、「じゃぁどうしろと?」と逆に問いただしたくなる。
僕はどちらかというと②に近い考えで、①のお客様に対して「夏は暑いと有史以前から決まってますので」と言いたくもある。口に出せないのが辛いんだけど。

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2010年7月22日 (木)

ドライブレコーダー

路線バス運行を記録 ドライブレコーダー搭載加速
(前略)
路線バスは運行中に常時撮影する機種が導入され、兵庫県内では2008年度の神戸市交通局を最初に、尼崎、伊丹市でも順次配備。明石市が09年度から取り組み、今年6月には保有する全37台への搭載を完了した。
明石市の場合、バス1台にカメラ4台を搭載。進行方向の前方▽車体左側の乗降口、停留所付近▽乗客の転倒などに備えて車内前部、後部‐を撮影する。これまで同市バスが当事者となった衝突事故の際、原因解明に威力を発揮したという。
一方、事故以外のトラブル解決にも活用されている。苦情の中で最も多い「早発」は、停留所の映像を確認すれば、停車・通過時刻がすぐに判明。解析した4件のうち3件が乗客が指摘した通り、定刻以前に出発していたことが分かり、運転手に改善を求めた。
「必要ないのにクラクションを鳴らされた」「路面の水をはねられた」という苦情については解析の結果、バス側に問題がないことが分かった。
同市バスの岩澤平勝運輸課長は「公務員である運転手に対する市民の目は厳しい。運行をめぐるトラブルはこれまで水掛け論になる事例も多かったが、客観的な事実に基づいて説明できる。安全運転やサービス向上への意識も高まる」と話す。
(神戸新聞 2010/07/19 13:57)

http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0003218209.shtml
最近ネタ探しにニュースの丸々引用が増えてると実感…coldsweats01
さて、ドライブレコーダーは僕のいる会社でも導入しているが、記事のように意外なところで役立っている。本来の目的は事故発生時の原因分析などで、事故の多いタクシー業界が積極的に導入し始めた。事故に至らずとも強い衝撃を与えるとその前後の映像が記録されるイベント型と言われるものが多く、原因や責任度合いの分析にも大いに役立っているらしい。また、密室に近いタクシー車内における犯罪抑止の意味から車内の映像を記録する会社も少なくない。おかげでタクシー車内でのイチャイチャもすべて白日にさらされている。

一方のバス。これは各社各様の考えがあるようだけど、常時記録しているタイプが多い感じだ。カメラの数もタクシーより多く、前方、側面(左右両方あるいは一方。乗降口のある左のみが多い)、車内(1~2ヶ所)の計3~4ヶ所が多い感じ。

記事にも書かれてるとおり、今までお互いの主張が平行してきた事故処理で、映像を見ることで一発判定ができるようになった。当方に否があれば平身低頭謝ればいいし、問題なければ堂々と主張すればいい。幸いというか残念というか、ドラレコを着けてからそのような面倒な事故が起きてないけど、一方的に悪い事故では処理がスムーズになったのは事実。運転士の曖昧な記憶から調書を取っていた昔に比べ、早く、そして確実な事故報告書を作ることができるようになった。事務処理の迅速性をお金に換えれば、数年で確実に投資額の元を取るだろう。

一方の苦情処理。明石市はさすがお役所と思える「水掛け論」だが、うちなんかすぐ謝ってしまう。たしかに早発などの問題はどこも同じで、記録された時刻を見ると1秒2秒の早発もあるにはある。これくらい許容範囲じゃねえかと思うのは事業者側の言い分かもしれないが、これは事実として受け止める。
次に多いのが「バス停で待っていたのに素通りされた」。その車両の映像を確認したらバス停に人なんかいないは当たり前。5mも離れた自販機で買い物してる人が映っていたが、もしかしてこの人?なんてことも。こんな人まで“バスを待つ人”という認識を持たなきゃいけないの?って思うこともしばしばだ。

乗務員の接客態度への苦情もあるが、これに至っては客側の言動も常識を逸したものがある。自分に都合いい対応をしない乗務員に罵声を浴びせ、さらに苦情を言ってくるのだ。昔なら「教育をしっかりします」と謝って納得してもらうことに神経を使ったけど、今は「貴方の言動もおかしい」と言えるようにはなっている。そこまでストレートには言わないけど。

乗務員は何かと労務管理の強化を懸念するが、予想以上にプラス要素が多い。少なくとも事務方からみればドラレコを着けてマイナス要素はない。強いて言えば「例え100:0と思える加害事故でも、なんとか相手の過失を見つけ出そう」とすることができなくなったことか。ま、誤魔化してまで、という時代ではないので、正々堂々と事故処理、苦情処理するには今後は不可欠な存在になるだろう。

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2010年7月19日 (月)

遠鉄バス 浜松~横浜線開業

去る7月16日から、遠鉄バスが浜松~横浜間の高速バスを始めた。
http://bus.entetsu.co.jp/highway/e-liner/eliner/
遠鉄といえば浜松一円の交通事業者として、その規模たるや相当のものだろう。鉄道は正直小さいけど、バスは全国的に見ても大手と肩を並べる存在だと思っている。
そんな遠鉄が高速バス事業に参入していなかったのが不思議だった。地方のバス会社にとって高速バス事業は屋台骨であることは珍しくない。もちろん、一般路線バスがそれだけ潤っていて、不安定要素が強い事業への参画はしないというのも経営方針だろう。

遠鉄もかつては高速バスは運行していた。東名開通時から浜松~静岡線を運行しており、たしか平成の世まであったはずだ。ウィキによれば1994年まで走っていた。このほか名古屋線もあったようだけど、10年持たずに廃止されている。また、今は亡き東名急行バスにも出資していたから、高速バス事業そのものに無関心だったわけではなさそうだ。
しかし、参画が早すぎたのか、1994年といえば長距離高速バスブームではあったけど短距離高速バスは今ほどメジャーではなかった。今だったら、普通列車しか走らない静岡浜松間で、着席保障の1時間半、1200~1300円なら乗りそうな気もする。

そのような過去がトラウマになって高速バス事業へ二の足を踏んでいたのかもしれない。
それでも遠鉄は高速バス紛いのことはしており、いわゆるツアーバスとして東京へ走らせていた。主催旅行の「バンビツアー」の1つに、渋谷、六本木などに停車する片道からOKのバスツアーがあった。ある意味で需要予測のための企画だったのか。
ところが浜松・東京間の高速バスに、従前の東名ハイウェイバスに加えJR東海バスと京王バスが参入した。京王がなぜJRバスと組んだのか、私鉄同士の関係はなかったのか(それこそかつての東名急行の盟友)、それが不思議だけど、遠鉄としては不意打ちされた感が否めないだろう。打診あってのことかもしれないけど。

浜松から都内への高速バスは順調のようだ。えてして地方と東京を結ぶ交通は朝の地方発、夕の東京発が混む傾向にあるけど、僕がかつて乗った浜松発夕方便は、発車30分ほど前で「最後の1席です」と言われて驚いた。そのせいか、今遠鉄のHPを見ても東京へのツアーがなくなってしまった。完全に食われたのか?
だから遠鉄としては、もっと早めにツアーを路線化してればよかったのかもしれない。そうすれば他社の進出を阻止できただろう。それこそ京王と組むことだってできたのでは? 新宿の地の利は、今や東京エリアで欠くことのできない存在のはずだ。

で、結局目指したのは横浜。横浜って、特に昼間は横浜町田IC下りてからが長い。ダイヤどおりの運行ができるか心配の種は多い。高速バスに参入したいという気持ちで最終的に選んだ答えが横浜なんだろうけど、平日と週末の需要差が大きい地域なので、はたして浜松との需要がどれだけあるのか。
1社単独のため浜松からの需要にしか応えていないダイヤも曲者。これが横浜側の事業者との共同運行だったら浜松への送り込みもできただろう。個人的には浜松エリアでこまめに停車し、パーク&ライドも備えている遠鉄にこそ有利だと思うだけに、東京へ入らなかったことが残念である。それでも、高速1千円化の渦中に登場した中距離高速バス。今後が楽しみな路線であると同時に注目していきたい。

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2010年7月17日 (土)

分社化したバス会社の今後

西鉄バス大牟田:ほぼ全路線が赤字 「補助金は悪循環」--市対策協 /福岡
西鉄バス大牟田の路線廃止申請への対応を決める、第2回大牟田市バス交通対策協議会(会長・山口雅弘市議)が15日、市役所であった。同社が廃止計画に挙げた3路線を含め、ほぼ全路線が赤字であることが明らかになり、委員から「市が補助金を出して赤字を補てんしても、乗客数が回復しない限り悪循環に陥る」との指摘が相次いだ。
会合では、乗客増を図る方策の検討を優先すべきだとの意見が多く出た。次回、西鉄側が路線バスが赤字収支になった時期や、経営努力の内容を説明することになった。
協議会の委員に、西鉄バス大牟田の山下敬助社長が入っており、西鉄本社の担当者もオブザーバーで参加。会合後の取材に対し、本社担当者は「人件費はもちろん、路線バスの燃費を計測し、燃費が悪い運転手に注意するなど、あらゆる経費削減をしている」と説明した。
(以下略)

http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20100716ddlk40020337000c.html
地方路線は赤字に喘いでいる。特に赤字を理由に分社化した会社は悲惨だ。
バス会社といってもバスだけの会社は少なく、たいていは不動産事業を抱えている。また、広告業や観光地での飲食業、宿泊業など、バス以外の収入源もいくつか持っているのが、地元の名士たるバス会社だ。
ところが、バス部門の赤字を理由に末端エリアを分社化した例は多い。西鉄バス大牟田もその例だろう。儲かる福岡市内は西鉄本体で、大牟田や筑豊エリアなどは地域ごとに分社し、「地域密着、地域の実情に合わせやすく」の名の下、いくつもの会社が設立された。
ただ、儲かるから親会社でという考えは穿った見方で、現状維持できるから親会社のままというのが正しいだろう。

分社化したエリアはその経緯から「儲からない路線」がほとんどだ。ゆえに企業努力で赤字の圧縮に躍起になる。本社担当者の言う「人件費はもちろん~」の下りは涙ぐましい努力ではないかと、ヒイキ目だけど感じずにはいられない。
このような努力をしてもなお、赤字路線は簡単には黒字化しない。地域住民に必要不可欠な存在なのは理解する。しかし、一民間事業者からしたら「儲からないとわかった以上、早くここから脱したい」わけだ。かつてはそれがそう簡単ではない法の縛りもあったけど、今や撤退は自由。良くも悪くも小泉政権の規制緩和である。その結果の西鉄の撤退表明であろう。

この記事を読んで感心したのは、委員から「赤字補てんだけではダメ」としたこと。残してほしいという割には利用していない現実を憂い、「利用者増」の努力を、バス会社だけでなく地域を含めて検討しようという意を含んでのことだろう。

ただ、如何せん、分社化したバス会社は資産がなさすぎる。親会社は先のように不動産やらで儲けバス部門の多少の赤字は目をつぶれても、子会社にはそのような資産がないのがほとんど。つまりバスしか収入源がない。バスが赤字なら企業が赤字なわけだ。これが子会社の実態だろう。地方だけでなく東京近郊の分社子会社も同様だ。
おそらく外野は「バス会社の企業努力がまだ足りない」と言う。不便だから使わない、使えないとも言うだろう。それを解消するには本数を増やせというのは常套句。1時間に1本では乗りたいときに乗れないのはわかるけど、10分間隔にすれば経費は単純に5~6倍。それで7倍8倍の需要増になれば御の字だけど、そもそもバックにそれだけの人口がいないのでは無理な話。
バスの運営コストの3分の2は人件費と言われる。それだけ労働集約型産業である。これを低く抑えろとも当たり前に言われる。しかし、そう言われるたびに僕は「だったら朝から晩まで不規則勤務。交代勤務とはいえ土日関係なく人の命を預かる仕事をするのに、貴方ならいくら欲しい?」と問いたい。世の風潮としてドライバー職は身分を低く見る傾向にあるが、だからと言って給料を抑え込んでいいわけではなかろう。人が生きていくために必要な金額は、本来誰でも同じはずだ。

こういろいろと考えていると、結局はクルマ社会に押し流されてバスに見向きもしなくなった地元の人たちが、今の不採算路線を作り上げてきたと思われても仕方あるまい。西鉄にしても地元企業として地元に貢献したいのは山々である。それがもはや限界まで達した、だから撤退なのだと、遠い地から思っている。

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2010年7月16日 (金)

キミもバスの運転士!

運転席・停車ボタン… スイートルームは「バスづくし」
2010年7月15日1時28分
京急グループの「ホテルパシフィック東京」(東京都港区)が、室内を京急バスのグッズで埋め尽くしたプランを15日から始める。「京急電鉄プラン」に続く第2弾。
スイートルームに運転席を設置。ハンドルや車内放送用のマイクが操作でき、停車ボタンもある。制服と帽子も本物だ。1泊朝食付きで1万5千円から。
バスルームも京急バスの巨大ロゴで飾った。担当者は「制服を脱いでシャワーを浴びる時も、バスへの熱い思いをかみしめられるはずです」。
http://www.asahi.com/travel/news/TKY201007140558.html
鉄道ジオラマや飛行機は聞いたことあるけど、ついにバスまで出たかという感じ。バス趣味の世界ってかなりディープだと思ってるから、果たしてどれだけ需要があるのか。その需要の相手とは如何に??

で、掲載の画像はこれだけど・・・
20100716
ん~、ハンドルの角度がいまいちリアリティーに欠けるなぁ。これではワンボックス運転してるのと同じじゃん。

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2010年7月13日 (火)

本屋がない

いつの間にやら町中から本屋がなくなった。
僕の住む町には、僕が小学生の頃には家の近くに1軒の本屋があり、そこで初めて買った1冊の鉄道本が今の趣味に、そして友達関係の構築に大きく影響している。
バブルの頃に本屋のあった小さな商店街も消え失せ、今やマンションと化した。この頃はまだ、本屋が消えることに特に違和感はなかった。

情報を本で仕入れる時代でなくなって久しい。また、活字離れも影響して、本の売れ行きはかつての比ではないだろう。そして最近は、大手チェーン書店が幅を利かせてしまっている。三省堂に紀伊国屋書店、ジュンク堂やブックファーストなど一堂に何でも揃う書店が台頭し、個人商店規模の「本屋」は成り立たなくなってしまった。雑誌もふつうに駅で買う時代である。

先日、僕の生活徒歩圏に唯一残っていた本屋が店を閉じた・・・ことをまちBBSで知った。僕自身ほとんど本屋を活用しなくなっているので気付かず、そんなんで言う資格なんかないのかもしれないが、1つの業種が全滅したことは寂しいことである。

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2010年7月11日 (日)

スクールバスは適法?

無許可で有料スクールバス運行、学校法人など書類送検/横浜
2010年7月9日
無許可で有料のスクールバスを運行したとして、鶴見署は8日、道路運送法違反(有償運送)の疑いで、学校法人「ホライゾン学園」と、担当理事の男(67)を書類送検した。
同法人は保育園児から中学生までが通う「ホライゾンジャパンインターナショナルスクール」(横浜市鶴見区東寺尾)を運営。
送検容疑は、2009年10月14日から16日にかけて計18回にわたり、同スクールに通う園児や生徒ら計約300人を有償で送迎した、としている。
同署によると、同スクールは1学期につき約6万円の送迎料を徴収していた。09年12月に許可を取得し、現在は適法に送迎を行っているという。
同スクールには、日本人や外国人の子ども計約100人が通っている。事務局長は「国土交通省の許可が必要とは知らなかった。申し訳ない」と話している。

http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1007090033/

学校法人の経営者は交通のプロではないので、このような考え方で違法行為をしている例は意外に多そうだ。沿線にある学校でも以前、スクールバス利用者に学費を上乗せしていたことがあった。これもあるきっかけで指摘を受け、バス会社委託に切り替えている。

スクールバス代金を取ることが即違法というわけではない。学校などがバス会社へ委託して緑ナンバーで運行してれば、学校とバス会社で輸送契約を結び、その必要経費を利用者に負担させているだけなので問題はない。しかし、白ナンバーの自家用車でスクールバス代金を徴収すると、これが問題になるわけだ。

・・・という知識ではいるものの・・・いざネットで調べてみると、自家用スクールバスを持ち、「バス利用料」と称する学費を取っている幼稚園や私立学校は腐るほどある。ん~、これがみんな違法行為だとすると、日本の教育環境は崩壊するな。

一応、白ナンバーの有償運送の規定はある。道路運送法第78条には、
第78条(有償運送) 自家用自動車(事業用自動車以外の自動車をいう。以下同じ。)は、次に掲げる場合を除き、有償で運送の用に供してはならない。
1.災害のため緊急を要するとき。
2.市町村(特別区を含む。以下この号において同じ。)、特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項に規定する特定非営利活動法人その他国土交通省令で定める者が、次条の規定により一の市町村の区域内の住民の運送その他の国土交通省令で定める旅客の運送(以下「自家用有償旅客運送」という。)を行うとき。
3.公共の福祉を確保するためやむを得ない場合において、国土交通大臣の許可を受けて地域又は期間を限定して運送の用に供するとき。

とある。せいぜい3の規定に合致するかどうかだけど、通園通学者のみであれば「公共の福祉」とは言いにくいかもしれない。そうだとしても大臣許可を受けてるとはとても思えないけど…。

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2010年7月 9日 (金)

バスは気軽な乗り物ですから

ここんとこ、なぜか警察とお近付きだ。
まぁこういった商売してると交通規制や交通捜査にはいろんな意味で厄介になるけど、この最近はそうじゃない。なんとまぁ特捜などの犯罪系ばかりだ。
先日もニュースになった殺人事件に関連して、わざわざ地方の本部と所轄が来社して不審な人の乗車の有無を問われた。容疑者は高速バスに乗って移動しているらしいとのこと。予約ではなく飛び込み客が怪しいというので、その当日の乗務員を捕まえて訊いてみた。
夜行2名乗務の1人が「そういえば相方が○○で飛び込み客に声かけられてたけど、満席だったので断ってたな」との証言。その相方とは連絡が取れずにいる間に犯人が捕まったとの情報が入りとりあえず社内では終息したけど、ホントにうちのバスに乗ろうとしたのだろうか、ちょっと気になるところ。

犯罪捜査の声は時々かかり、昨年も西日本のある警察から問い合わせを受けた。以来1年ほどはそんな問い合わせもなかったんだけど、この1ヶ月・・・というより2週間で3件も問い合わせがあった。昨日と今日は立て続けに都内の警察だ。昨日の事件は残念ながら該当者なしだけど、今日もらった事件は、なんと予約名簿に名前があった。「○月○日に○○から乗った○○という名前」が、見事にあるではないの!
実のところ、だからと言って犯人とは限らないんだけど、警察の捜査に引っ掛かった名前の人が見つかってしまうとドキドキする。この人、いったい何した人?なんてソワソワ。詳細は教えてくれないけど、なんか面白くなっちゃうんだよね。
警察は、この人がいつ予約し、どこで買って、いくら払って、生年月日は?なんて照会してくる。まぁ回答できるのは名前、電話番号、購入方法、金額くらいかな。生年月日なんか聞かないからね。あとは乗務員が回収した乗車券を保管したり、当日の座席表を確認したり。

ところで、警察の捜査だからってそう簡単には答えるわけにはいかない。まして電話での問い合わせでは、本当に相手が警察なのかわからない。必ず捜査照会書を頂戴してから回答している。緊急を要するものはFAXで送ってもらうけど、発信元を表示してもらい、それから折り返し電話をしている。そうでもしないといつ何時、個人情報があらぬところに漏れてしまうかわからないから。
昔、オウム真理教騒ぎのときは本庁のデカさんが来た。ん~、まさにチンピラ。警察チンピラ紙一重なんて言うけど(ホントか?)、街ですれ違ったら絶対警官とは思わない(どころか道を開けてしまう)風体の若いアンチャンと、いかにもデカ一筋30年といった感じの人が来たこともあったなぁ。

それにしても凶悪事件の犯人って、足がつかないと思うのか高速バスで逃げるのが最近の主流らしい。飛行機は元来セキュリティが厳しく、鉄道も至る所に防犯カメラがある時代。ま、バスだってドライブレコーダー積んでるけど、まだまだバスは安っぽく見られてるのかもしれないな。

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2010年7月 7日 (水)

フェリーと似非高速バスのパッケージ商品

過日のリリースでウィラートラベルがフェリーとのパッケージ商品(もはや死語のような気もするが…sad)を発売とあった。
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=255386&lindID=5
まぁこれ自体は某社の発売実績からしてどれだけ売れるかなと思わないでもないが、まぁ発想としてはいいと思う。ただ、企画自体はフェリー会社からの売り込みだよね。ウィラー自身の発案ではないはず。それに、この商品を発売したところでバスの取り分ってほとんど変わらない。それだけフェリーがダンピングしてるというのが現実らしい。それこそフェリーに乗る人が減っている証しだろう。

さて、ウィラーのページを見てて思った。バスが港へ着いて船の出発まで1時間もないというのに、「乗船の流れ」の案内文には「1時間半前までに乗船手続きをせよ」なんて…。バスの車内から電話せいということかい?
・・・なんて数日前に馬鹿笑いして見てたら、いつの間にか時間案内は消えてた。誰かが指摘したのだろう。ただ機械的にサイトを作成したのがアリアリで面白かったのにぃ。

ところで、この商品。わざわざパッケージ商品という言葉からして、あくまでも全体で企画旅行なんだろう。そうなればフェリー部分も企画旅行の一部。8月の帰省シーズンの週末にわずか55分の接続時間しか取っていない八戸港経由苫小牧への企画。実際乗り継ぎできるのか心配だ。
遅れた場合の対応。企画旅行なら何としてもツアー完結のために代行手段を取るのが一般的な旅行会社だ(と思ってる)けど、次便手配や鉄道への振替なんか、やってくれないだろうなぁ。旅程保証もあてにはできまい。旅行条件書には「運送機関の遅延・・・など・・・によって生じる旅行日程の変更・・・」は責任を逃れると書いてある。このあたり、標準的な旅行条件書と比較して、運送機関が遅れても責任を取らないと変えているあたりがこズルい。実際、8月12日前後は首都圏は渋滞してすごいことになるだろう。はたして接続できるのか? いや、どれだけ誠心誠意ツアー完遂に努めてくれるのか??

この手のツアー商品で一番てこずるのは接続である。僕自身、ツアーの企画・添乗をしていて一番ヤキモキした部分だ。中には途中から電話してフェリーの出発を20分遅らせた猛者もいたけど、今はそういう時代でもないしなぁ。

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2010年7月 4日 (日)

無車検が常態化?

無車検:豊郷の業者、バス運行 「費用なかった」 /滋賀
6月22日15時23分配信 毎日新聞
国交省滋賀運輸支局は21日、豊郷町三ツ池の貸し切りバス業者「ムツミ観光」(大西章雄社長)が、所有するバス2台を昨秋から無車検で運行していたと発表した。整備不良による事故はなかったが、学校行事や冠婚葬祭などに計二十数回使ったという。同局は車の使用禁止など行政処分を検討している。
今月実施した立ち入り監査で発覚。同社が届け出ている3台のうち、小型バス(22人乗り)と中型バス(41人乗り)が、それぞれ昨年10、11月に車検期限が切れていた。大西社長は「経営が振るわず、車検費用がなかった」と説明したという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100622-00000203-mailo-l25

このニュースは先月報じられたものある。半年にわたり無車検のまま運行したとのことだけど、まぁこれ自体は中小事業者にはありがちな話題だけに驚きはしない。大手の老舗だってついウッカリ数日間なんてのもある。
ところが、このニュースでビックリしたのは、無車検で過ごした半年間で、実際の運行がほんの20数回しかなかったこと。ホントかウソかはわからないけど、これって週に1台強しか稼働しない計算だよ。わざわざ車両を保有してまでこの状態? 事業の体を成しているとは言い難い。

さらに、これに前後して実施された運輸局の重点監査の結果を見て驚いた。
http://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/press/date/1007/kr_p100702.pdf
結果として中小ばかりが指摘されてるけど、監査した161事業者のうち7社に無車検での運行があったということだ。率にして4.3%。なんという高率か。一般車で無車検ってどれくらいかわからないけど、少なくとも交通業を営む自動車のプロが、これほどの確率で無車検を放置しているなんて恐ろしくてたまらない。

無車検期間中の運行回数を見ると、稼働率50%くらいなら正直に申告してると思える。だけど中には200日以上無車検でいてその間2日しか営業してない会社もある。ホントかよ!?と思うけど、善意に解釈しておこう。

今どきの新規参入の貸切事業者はあてにならないとか、行政処分の内容も新規参入事業者は考えられない内容ばかりと以前にも書いたけど、この実態を見るとその思いも強くならざるを得ない。

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