バスツアーの行程を吟味する
とある旅行会社の募集広告。新聞で見て驚きを隠せなかったので、あらためてサイトで確認した。コースを紹介すると…
出発地:関東発 設定期間:9/7~10/28
ラストチャンス利尻島・礼文島3日間=シーズンの最後だから出来たこの価格!!!=
旅行期間 3日間 49,800~58,800円
1日目
羽田空港(9:00~10:30発)→→新千歳空港==北防波堤ドーム(車窓)==稚内(泊)
バス走行距離:約370㎞
2日目
ホテル==稚内港~~香深港==礼文島観光【スコトン岬・桃台・猫台・元地海岸】==香深港~~鴛泊港==利尻島観光【オタトマリ沼・姫沼・仙法志御崎公園】==利尻島・利尻富士温泉(泊)
バス走行距離:約70㎞
3日目
ホテル==鴛泊港~~稚内港==稚内公園==稚内味覚バザール(ショッピング)==宗谷岬==猿払=<オホーツクライン>=新千歳空港→→羽田空港(20:35~22:45着)
バス走行距離:約450㎞
1日目。距離から察して日本海オロロンライン経由のようだ。羽幌線時代に一度乗り、その後、天売・焼尻を訪れた際は沿岸バスに揺られたことがある。
しかしこの距離は東京からだと岐阜あたりに匹敵し、高速道路でも休憩加味して5時間の距離に、半分は一般道のこの区間を一体時速何キロで走り、何時に稚内に着くのだろうか。ナビタイムで検索すると10時間半と出た。仮に羽田9時のフライトに乗り11時には新千歳を出発したとしても、到着は21時半? 実に恐ろしい行程だ。
百歩譲って実際は何時頃だろう? とても18時前に着くなんて考えられない。休憩含めれば20時か? 真っ暗闇のオロロンラインを走って旅行者は楽しいのだろうか。北防波堤ドームはライトアップくらいあるのかな? ま、ここは明朝見ればいいけど。
2日目。船は7時30分発だろう。下手すりゃ6時半? まあそれはなかろうけど結局宿を出るのは7時頃。朝食もままならず、「出発の準備をして朝食会場へどうぞ」となるのかな?
礼文島では正味4時間の観光で利尻島へ。この日は利尻島泊まりだから、まあ、駆け足で観光しようとする向きは妥当かもしれない。
最終3日目。鴛泊港は8時40分発。10時半に稚内を出て稚内公園と稚内味覚バザール。ここはどこか知らないけど、宗谷岬への道順だろう。その宗谷岬は12時頃かな。そしてオホーツク沿いに下って猿払~高速経由で新千歳空港へ。岬から新千歳空港までこれまた400キロ。10時間は優にかかる距離なのだ。なのに羽田は早くて20時半? 新千歳19時ということは、稚内から直行しても間に合うか間に合わないかの瀬戸際じゃないか?
一体誰がどうすればこのような行程を組めるのか不思議でならない。おそらく郊外道路は実測の時速70キロ程度で計算されていると思うが、速度超過を前提とした行程なんか、よくバス会社が受けるよなと思う。このあたりのことは鉛筆転がしの体験者がよくご存知と思うが、北海道ではこれが日常なの? 最低でも最高速度で計算、実際に早く着いたらその分お客様に還元(滞在予定時間の延長)で済ますのがツアーの基本形と思うのは、もはや間違っているのだろうか。
そもそも道北へ行くのに新千歳利用は腑に落ちない(この旅行会社に限らないけど)。新千歳イン・アウトは便数も多くツアーには安く叩けることは百も承知。だけどその結果がお客様につまらない行程を強いていよう。ツアー内容からして本来なら稚内直行便利用、せいぜい旭川便+オロロンラインが妥当だ。その結果ツアー代金が2万3万アップしても、それはお客様満足度に確実に跳ね返る。高いツアーに客は来ないというのは企画内容に自信がない者の言い訳だ。安さだけで釣るなんて、ほんと騙されるお客様が可哀想でならない。
設定も9月10月と2ヶ月にわたる。シーズン最後とは言うわりには随分幅がある。せいぜい行くなら9月中旬までか。10月下旬になれば紅葉も終わって殺風景な景色しか楽しめないだろう。ただ「行った」という足跡を残すだけならいいけど、いい思い出を作りたいなら、よくよく吟味する必要がありそうだ。
顧客満足度を上げるのは難しい。でも、利益だけに走って満足度は二の次であってはいけないはず。旅行する側も賢い目を持つようになろうではないか。


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