高速バス衝突 予定ルート、上限超え 旅行業界「距離守れば商売にならない」
産経新聞 5月10日(木)22時14分配信
群馬県の関越自動車道で7人が死亡した高速ツアーバス事故で、事故を起こしたバスの運行予定ルートは、指針で定められた運転手1人が1日に運転できる上限670キロを超えていた可能性が高いことが、国土交通省の試算で分かった。
国交省は、バス会社「陸援隊」(千葉県印西市)が6日の記者会見で示した石川県内の宿泊先から千葉県内の事業所までのルートを基に、指針に沿って算出。その結果、上信越道経由で796キロ、関越道経由は837キロとなった。
指針では、高速道路の運転よりも走行に時間がかかり運転手の負担が大きいとして、一般道の走行距離を2倍で計算することになっている。ツアーを企画した旅行会社「ハーヴェストホールディングス」(大阪府豊中市)は、運行距離は545キロと説明していた。
旅行会社が指針の内容をよく知らずに運行を計画していた可能性もあり、国交省は詳しく調べを進める。
運転手の最大運転距離の上限を大きく超えた運行ルート計画が明らかになり、バスの安全に対する旅行会社の認識の甘さがあらためて露呈した。「距離を守れば商売にならない」。背景には、旅行業界に指針を軽視する傾向があるとみられる。
国土交通省によると、ハーヴェスト社の計画ルートは800キロ近くに達している。同社幹部は高速ツアーバスの事故後、「安全上の対応に問題はなかった」と繰り返し発言していたが、同省幹部はこうした釈明に「違和感があった」と明かし、「(同社の計画は)運転手1人での運行には無理がある。安全面を軽視している」と批判した。
同社は取材に対し、「再計算の結果、約609キロで指針内だった。国交省がどういう根拠で示したかわからない」と不満を述べる。だが、指針では営業所から出発点までなどの回送区間も計算に含まれ、同社の試算に回送区間の距離を加えると、670キロを超える。
「厳密に距離を計算すれば商売なんてできないよ」。埼玉県の旅行会社社長は業界の実情についてこう語った。例えば、東京-伊豆(静岡県)間のように、2倍で計算される一般道の運行が多い区間では、「計算式に当てはめると営業できなくなる」と指摘。また、別の会社は「距離は地図で測っただけで計画を立てる。法的に安全面の責任を負わない旅行会社はそんなもの」と話した。千葉県のバス会社は「指針を守っても、仕事がないなら意味がない」とこぼした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120510-00000614-san-soci
昨日あたりからやっと換算670キロが報じられるようになった。拙ブログには国交省からもアクセスがあるので、担当者さえ気付いてくれたら10日も経たずにもっと話題性があったのに・・・。今や新聞でニュースを探すのも一苦労。
5月1日付の拙ブログで僕なりの試算をしたけど、このときは使える高速道路は出来るだけ使って換算708キロだった。おそらく金沢~高岡間や都内、そして回送でなんかは高速道路は使わせないだろうから、さらに77キロ加算の換算785キロは最低かっていると思っていた。
ハーヴェスト社の「国交省がどういう根拠で示したかわからない」とはよく言えたもの。旅行業協会を通じて旅行会社にも指針が伝わってるのは既述のとおり。ふざけるなと言いたい。そりゃ法的拘束力はないけど、一定の過労水準をはるかに超えた行程作りは過重労働の強要であり、それこそ犯罪だろう。
「厳密に距離を計算すれば商売なんてできないよ」・・・この背景には消費者の無理解がある。僕の会社もちょっと高めなので、見積もり出して断られるのは慣れたもの。「価格だけで決めるのであれば結構です」と、お断りの電話には必ず付け加えている。自信があるから高いし、安いとこを使って失敗すればざまぁ見ろと思う。長年付き合った団体も幹事の代変わりで逃げられたこともある。だけど2年後に「やっぱり・・・」と戻ってくるのも珍しくない。
それもこれもきちんと守るべきものは守ってるからだと思う。そりゃ完璧ではないけど超えてはいけない一線を故意に越えることはしない。それを当然と思わない中小零細バス会社、旅行会社があり、それと同列に思われるのは非常に心外だ。
マスコミもようやく気付いたか換算キロ。もう少し深く掘り下げて報じていただき、これを守る会社もあることをきちんと伝えてほしい。
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